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古美術鑑賞の手引き: その2

美術品の見方

目利きになる物の見方とはどのようなものでしょうか。 まずは、とにかく好きになることでしょう。 そして、好きになるには沢山見ることです。 沢山見ていくうちに少しづつでも分かってきます。 そうすると好きになってくるという訳です。

次に、とにかく比較しながら見ることです。 同じ種類のものを比較していくうちに、どちらが優れているのかが分かってきます。 その違いこそが、物の魅力であると言えます。

最後に、最も大切なことが、とにかく買ってみることです。 大切なお金を使って買うことで、物を真剣に見るようになります。 良い物を手にした時の喜びは格別なものですし、不幸にも失敗したとしても、その悔しさをバネにすることが出来るのです。

注意しなくてはならないことは、決して初めは「自分目利き」にならないことです。 「自分目利き」とは、他人がどう思おうとも自分が良いと思うのだからそれで良い、という考え方のことを言います。 謙虚にいろいろな、できれば多くの目利きの人の意見を聞きながら感覚を磨いていくことが肝要です。